出会いと苦悩
まずはサ苗との出会いから。
その前に、写真を載せていませんでした。こちらがサ苗ちゃんです。
長毛で靴下のかわいこちゃんです。リボンがよく似合う。
サ苗は現在の同居人の連れ猫だった。
まだ同居人とは別々に暮らしていた頃、彼の部屋に居着いたのが始まり。
アパートの1階だった(そして餌をベランダに置いていた)ので、他にもたくさんの猫が集まって来ていた。
最初こそは警戒していたけど、だんだんと図々しくなり、終いには部屋に上がり込み寛ぎだしたので、真剣に飼うことを検討した。
まずは健康チェックのため、かの有名なハナ動物病院へ。保護猫さんの診療は安価でやってくれます。
彼は当時市川市に住んでいたので、杉並区のハナ動物病院まではまあまあな移動距離。
私は当時杉並区に住んでいたが、市川まで彼とサ苗を迎えに行き(サ苗がケージで暴れるので一人で運ぶのは不安と言われたので…)、また杉並に戻っていた。通院したのでそれを2回くらいやったと思う。今思うと「うるせえそれくらい一人でやれ」と言うべきだった。猫を飼うのが初めての彼がめちゃくちゃビビっていたのが見てられなかったのと、猫飼いの先輩としてちょっといい気分になっていたのかもしれない。
診察の結果は、サ苗は妊娠初期であるとのこと。
そして、白血病検査が陽性。
野良猫で、他の猫たちとも仲良くしている姿も見ていたので、妊娠の可能性は想定していたが、恥ずかしながら白血病キャリアだとは思いもしなかった。野良猫なら当然のリスクなのに。
一気に考えるべきことが増えて、私達は混乱した。そして長くは生きられないとの先生の言葉に、二人で病院で泣いた。帰り道でも泣いた。
その段階では、彼の部屋はペット禁止だったので、いったん私の部屋で預かろうという話になっていた。私にはニッケという愛猫が居たので、仲良くなれるといいなぁなどと夢見ていた。それも叶わなくなって、また泣いた。
ニッケはキャリア猫ではないので、基本的にサ苗と同じ部屋で暮らすことはできない。しかし当時の私の自宅はワンルームだったので、隔離できるようなスペースもなかった。私の家でサ苗を預かることは難しくなった。
とりあえずしばらくは今まで通り、彼の部屋で半分外飼い、半分室内飼い、という形をとることになった。
次は妊娠問題だ。
自然に任せて出産し、子猫を里親募集に出すことも考えた。
しかし、親猫が白血病キャリアの場合、子供もそうなる確率はかなり高い。引き取り手を探すのもかなり難しくなるだろう。
また、白血病の発症はストレスが原因になることもあり、出産でのストレスで発症、もしくは命を落とす可能性もあるとのこと。
避妊手術の要領で子宮を切り取り、堕胎させる方法もあると言われた。その場合は早いうちに行わないとまた難しくなる、とも。
いっぺんに色んな問題がのしかかり、逃げ出したいほどだった。しかし決断は急がなくてはならない。
私達はおそらく2〜3日で答えを出した。お世話になっていたペットシッターさんや猫飼いの知り合いに相談したり、二人でも何度も話し合い、それはもう一生分くらい悩んだ。
そして、避妊手術を兼ねて堕胎させることを決めた。
今でもその決断が正しかったのかは分からない。こういう時、いつも「猫にどうしたいか聞けたらいいのに」と心底思う。でもそれは無理な話だ。どうにもならない。
結局、サ苗が少しでも長生きできる可能性に賭けることにした。まだ見ぬ小さな命まで救うには、私達はどうにもこうにも力不足だった。
すぐに日取りを決めて、ハナ動物病院で手術をしていただいた。
このときからサ苗は保護猫扱いではなくなり、通常の医療費になった。避妊を兼ねた堕胎手術は、3万7千円ぐらいだったと思う。(曖昧です。正確な代金はご自身でお調べください→http://www.hana-ah.com/)
それ以外にも検査やワクチン接種の代金もプラスされる。最初からお金のかかる子でした。(とはいえ、健康な猫でも初期費用でこのくらいは当たり前です。)
出だしから問題山積みでしたが、それでもサ苗はそれを軽く上回る可愛さでした。
特に彼に懐いていたので、すっかりメロメロになっていました。
最初は首周りの毛がそんなに長くなくて小さかったです。推定ですが生後半年くらいだったそう。
ひとまずは、出会いから、ここまで。今後、サナちゃんをきっかけに彼と同居(同棲という言葉はしっくりこないのであえてこう言います)することになります。